2025年数字資産レポート：資本が高度に「選別的」かつ「集中化」へ

Coin Metricsが最新で発表した《2025年デジタル資産レポート》によると、暗号通貨投資エコシステムは拡大と再構築が同時に進行する時期に入っている。市場全体は成長しているものの、資本は高度に「選別的」かつ「集中化」している。

この傾向は、BTC市場シェアが一時2025年に64%に上昇し、2021年4月以来の新高値を記録したことだけでなく、資本が流動性の高い成熟資産に流れる傾向に向かっていることにも表れている。これは、散発的な投資ではなく、より堅実なファンダメンタルズを持つ資産への集中を意味している。

この背後にある推進力は、暗号通貨と従来の資本市場の深い融合だ。まず、ビットコイン現物ETFの強い需要があり、これによりアーリーアダプターから退職口座、大手資産運用会社まで、より広範な投資者層が引き付けられている。

次に、ブラックロックなどの業界大手がイーサリアムステーキングETFを申請し、ステーキング報酬といったネイティブな収益源が機関投資家のポートフォリオにおける合法的な収益源となり、暗号資産の従来金融への魅力を高めている。

さらに、暗号通貨取引所（Coinbase、Robinhoodなど）は、ステーブルコインの利息やステーキングなどのサービスを提供するフルスタックのスーパーアプリへと変貌を遂げている。一方、CircleやPaxosなどの暗号ネイティブ企業は、国家信託銀行のライセンス取得などを通じて、逆方向から従来の金融インフラに深く浸透し、双方向の浸透を実現している。

エコシステムの面では、ステーブルコインはオンチェーン経済の中核インフラとなっている。2025年のステーブルコインの時価総額は3000億ドルに達し、送金量は150%増加し、《GENIUS法案》によってドル国債との連動が強化され、規模の拡大と普及が促進されている。

また、実世界資産（RWA）のトークン化も試験段階から実用化へと進展している。ロッセル1000指数や主要な貨幣市場ファンド、35億ドル相当の金などのコモディティのトークン化が次々と完了し、2026年代の従来金融資産のトークン化の加速に向けた土台を築いている。

総じて、2026年の暗号エコシステムは、資本主導で従来金融と深く融合した複雑な景観を呈するだろう。市場の成長は単なる全体的な拡大ではなく、実需、堅実な構造、明確な価値捕捉を持つ優良なセクターや資産に集中していく。