ストップロス注文完全解説:成行ストップロス vs 指値ストップロス、トレーダー必須の違い

取引時、最恐れるのは相場が突然逆行し、一気に損失が出ることです。このような状況で自動的に損切りや利確を行いたい場合、適切な注文タイプを使う必要があります。現物取引において、条件市価注文条件限価注文は最も一般的なツールであり、特に自動損切り(売り損切り注文の自動執行機能を含む)を設定する際に用いられます。見た目は似ていますが、実際の使い方やリスクは全く異なります。

なぜ条件委託注文を使うのか?

従来の市価注文や指値注文は即時に執行されます。しかし、実際の取引では事前にルールを設定しておく必要があります。例えば「BTCが40,000ドルに下落したら自動的に売る」や「ETHが3,000ドルに上昇したら自動的に買う」といった具合です。こうした場合に条件委託注文が役立ちます。

条件委託注文の基本的な仕組みはシンプルです。設定したトリガー価格(条件)に達したときに、自動的に注文を出します。これにより、24時間画面を見続ける必要がなくなり、あらかじめ設定した取引戦略を自動化できます。

条件市価注文:優先的に約定、価格保証はなし

条件市価注文は「条件付きの市価注文」です。資産が設定したトリガー価格に達したとき、システムは直ちに現在の最良市場価格で約定します。

どう動作する?

  1. トリガー価格(例:BTCが40,000ドルに下落したとき)を設定
  2. 注文は待機状態となり、すぐには執行されません
  3. BTCが40,000ドルに到達すると、条件が満たされる
  4. システムは直ちに注文を市価注文に変換し、その時点の最良価格で約定
  5. 注文完了

主な特徴:高速な執行と高い約定確実性。ただし、相場の急変や流動性の低い市場では、実際の約定価格がトリガー価格とずれる「スリッページ」が発生する可能性があります。例えば、40,000ドルのトリガーを設定していても、約定時には39,800ドルになっているケースです。

流動性の乏しい銘柄ではこの偏差がより顕著になります。暗号資産の価格変動は非常に速いため、条件市価注文の最大のリスクは、約定価格を固定できないことです。

条件限価注文:価格を固定できるが、約定しない可能性も

条件限価注文はもう少し複雑で、2つの価格を設定します:トリガー価格と限価価格。

動作の仕組み

  1. トリガー価格(例:40,000ドル)と限価価格(例:39,950ドル)を同時に設定
  2. 注文は待機状態
  3. 資産が40,000ドルに到達すると、注文が有効化される
  4. システムは注文を限価注文に変換し、39,950ドル以上で約定できる取引を探す
  5. 市場が39,950ドル以上で約定可能なら成立。もし市場がそれ以下に下落した場合、注文は成立しないまま待機し続ける

売り損切り注文の詳細解説

条件限価注文の中で、売り損切り注文は次のように動作します。資産価格がある一定の水準まで下落したときに、自動的に限価売り注文を出し、売却価格が許容範囲内に収まるようにします。これは損失に上限を設けることに相当します。

メリット:価格の保証が高まり、低価格での強制売却を避けられる
デメリット:相場が急落し、限価価格を下回った場合、注文が成立せず損失が拡大する可能性がある。市場の暴落やギャップアップ・ギャップダウン時に最も起こりやすい。

両者の核心的な違いを比較

項目 条件市価注文 条件限価注文
トリガー後の動作 市価で即時約定 限価条件を満たすまで待機、条件成立後に限価注文に変換
約定の確実性 高い(ほぼ確実に約定) 低い(条件が満たされないと約定しない)
価格の確実性 低い(スリッページの可能性) 高い(設定した最低価格以上で約定)
適用シーン 必ず約定させたいときの損切り 価格にこだわりたい損切りや利確
市場リスク 急落時に低価格で約定される可能性 急落時に約定しないリスクがある

簡単に言えば:

  • 確実に約定させたい? 条件市価注文を使う。ただしスリッページのリスクあり
  • 価格を保証したい? 条件限価注文を使う。ただし約定しないリスクもある

実戦シナリオ:どう選ぶ?

シナリオ1:新規エントリー後の損切り設定

例:40,500ドルでBTCを買い、39,500ドルで損切りしたい場合。

  • 条件市価注文:急激な下落で39,000ドルまで落ちた場合、強制的に約定し、想定外の損失拡大もあり得る
  • 条件限価注文(39,500ドルに設定):下落して39,500ドルに到達したら約定。暴落して38,000ドルになった場合、注文は成立せず、損失が拡大する可能性がある

シナリオ2:利確設定

例:40,500ドルで買い、42,500ドルで利確したい。

  • 条件市価注文:42,500ドルに到達次第、市価で即約定。急騰時に滑り込みで高値で売れる可能性も
  • 条件限価注文(42,500ドルに設定):市場がその価格以上を提示したときだけ約定。市場が42,400ドルしか出さなければ約定しない

シナリオ3:高いボラティリティ

変動の激しい銘柄(例:新規上場のアルトコイン)では、スリッページが特に顕著。

  • 優先的に条件限価注文を使う。市価注文だとスリッページが5-10%に達することも
  • ただし、限価価格を近くに設定しすぎると、約定しなくなるリスクもある

リスクの注意点

  1. 高ボラ時:ギャップや急騰・急落により、トリガーを飛び越えてしまうケースがある
  2. 流動性の低い銘柄:スリッページが大きくなる。条件市価注文は特に注意
  3. システムリスク:取引所の障害やネット遅延により、注文の執行遅延や失敗もあり得る
  4. 完全な代替にはならない:自動委託はあくまで補助ツール。重要な局面では自分で監視することも必要

トリガー価格と限価価格の決め方

  1. テクニカル分析:サポートラインやレジスタンスラインを参考に設定
  2. 市場のムード:強気・弱気の局面に合わせて設定
  3. 資金管理:許容できる最大損失から逆算して設定
  4. 流動性の状況:流動性の低い銘柄では、スリッページや約定しないリスクを考慮し、慎重に設定

総じて、「最適な注文タイプ」は市場状況とあなたのリスク許容度次第です。条件市価注文は確実性重視の取引に向き、条件限価注文は価格重視の取引に適しています。高ボラや流動性の低い市場では、両者を状況に応じて使い分けることが重要です。

BTC-0.16%
ETH-0.21%
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