#美股2026展望 午前3時、あなたはまだK線を見つめている。口座はすでに3割減なのに、次の瞬間には巻き返せる気がしてやまない。なぜ無数のロスカットの物語を知っているのに、この画面から離れられないのか？

まずは心に刺さる話をひとつ——あの「目覚めたら資産10倍」みたいな神話、現実で何人見たことがある？ビットコイン初期プレイヤーの億万長者伝説、ドージコインの一夜爆騰のスクショ、こういう話はウイルスのように広がる。でも、敗者は？彼らはとっくに静かに退場し、残るのは生存者バイアスだけ。

自分では理性的に投資しているつもりでも、実際はドーパミンにもう支配されている。年中無休の取引システム、上がれば追い買い、下がれば逆張り、すべての値動きが刺激になる。この快感はショート動画よりも強烈——だって動画は「1秒で1万稼げる」なんてないが、クリプトはあり得る。

さらに厄介なのは、終わりのない情報の流れ。どこかの大物がエントリーした、あのKOLが推奨した、あのコミュニティでまた「インサイダー情報」が流れている。どの情報も見逃したくなくて、それが財を成すカギかもと焦る。焦燥感が依存を生み、依存がさらに焦燥感を強め、気付けば自分が取引しているのではなく、情報に振り回されているだけ。

もちろん、この界隈が多くの人に「居場所感」も与えている。「HODLし続けろ」この一言で仲間が見つかり、損したら一緒に運営を罵り、儲ければグループで歓声があがる。そういう連帯感があるから、口座が真っ赤でもなかなかグループを抜けられない。

そして一番厄介な罠——サンクコスト。10万円損したら取り返したくなり、10万円稼げば100万円を目指す。「元本回収したらやめる」そのセリフを何度も繰り返しても、財布はどんどん軽くなる。損失回避とギャンブラー思考が、人をテーブルに縛り付ける。

多くの人はこの世界に入るとき、まだ少し理想主義を持っている。996な働き方が嫌で、銀行の金利に不満で、分散化が自由をもたらすと信じている。でも現実は、ただ一つの収穫場から、より派手な鎌のあるもう一つの収穫場に移っただけ。

最後に最も致命的な点：即時フィードバック。仕事で昇給するには半年の評価を待つが、$BTC の値動きは秒単位。このハイテンポはゲームでモンスターを倒すのに似ていて、負けるたびに「次こそ勝てる」と思わせる。何度もリスタートして、気付けばもう抜け出せなくなっている。

$ETH が上がれば興奮し、下がれば不安になる。こうした感情の波の背後にあるのは、市場の法則ではなく人間そのもの——運命を一瞬で変えたい欲望、失うことへの恐怖、不確実性への依存。クリプトは決して天国でも地獄でもない。ただの鏡であり、誰もが内に秘めた最も脆弱な部分を映し出す。

あなたが本当に夢中になっているのは、決してお金そのものではなく、「すべてをコントロールできる」と幻想する自分自身なのだ。