暗号資産の黄金期到来か？トランプ政策とXRPの規制突破が示す市場の転機

2月19日時点で、ビットコインは約96,643ドルで推移し、過去24時間で+1.03%上昇。イーサリアムも約2,716ドルと堅調だ。だが単なる価格上昇ではなく、米国政治と規制の急速な転換が、暗号資産市場全体を揺り動かしている。

米国が「暗号資産の首都」を目指す時代に

トランプ大統領は先日のマイアミカンファレンスで、米国を「暗号資産の中心地」にする構想を発表。「ビットコインが何度も史上最高値を更新しているのは、皆が私たちがこの分野で最前線にいると知っているからだ」と述べた。さらに注目すべきは、1月に発出した大統領令だ。財務長官やSEC議長を含む作業グループを設置し、デジタル金融技術の競争力強化を指示している。

より重要なのは、彼が「暗号資産との戦いは完全に終わった」と宣言したこと。SECとの長年の対立が終焉を迎えつつあるのだ。

XRP、規制当局から「交換可能な仮想通貨」認定を獲得

リップルのXRPが米国司法省民事部門とFinCENから「交換可能な仮想通貨」として公式認定された（2月18日発表）。これはシンボリックな意味が大きい。

SECとの数年間にわたる法廷闘争を乗り越えたXRPは、現在強気の上昇トライアングルを形成している。アナリストらは27ドル近くまでの大幅上昇を予想しており、規制の明確化がいかに市場心理を変えるか如実に示している。

テザーが実体経済へ本格進出：TradeFiプラットフォーム始動

テザーはステーブルコインから一歩踏み出した。「TradeFi」という新プラットフォームを発表し、USDT決済による国際商品取引を開始。中東での原油取引4,500万ドルがすでに実行されている。

ブロックチェーン技術を活用して取引コストを削減し、クロスボーダー決済を効率化する試みだ。USDTの時価総額が1,400億ドルを超え、市場シェア70%を占める中、テザーは単なるステーブルコイン企業から「金融インフラ企業」への転換を加速させている。

DOGEがSEC監視強化を宣言：政府効率化局の本気度

イーロン・マスク率いるDOGE（政府効率化局）がSECの無駄・不正を調査する呼びかけを開始。Coinbaseの最高法務責任者は、SECの不当な法的追求から企業を守るべきだと主張している。

業界からは「SECがCardanoなどを根拠なく証券と宣言し、小売投資家に多大な損失をもたらした」という批判も上がっている。この調査が政策変更を引き起こせば、デジタル資産規制の地図が塗り替わる可能性すらある。

市場感情は中立、だが転機の予感

恐怖・強欲指数は49と中立圏。クジラの買い集めは限定的で、ボラティリティも抑制されている。BTC10万ドルの大台を前に市場は慎重だ。

しかし政治・規制・機関の三つのレイヤーで同時に変化が起きている状況は極めて珍しい。短期的には様子見の局面かもしれないが、中期的には市場構造の転換を予感させるものがある。